【捨てられないお宝】アナログ製版時代のイラスト素材集

ずいぶんと昔に手に入れたもので
どれほどの価値があるかもわからないけれど
いつまで経っても捨てるに捨てれない「モノ」があります
私にとってそれは立派な「お宝」なのです

DTP以前 版下・写植時代のイラスト素材集はこんな感じ

以前勤めていた会社の大掃除で、不要になったデザイン資料を捨てる時にいただいたものです。タイトルはそのまんま「SPORTS」。Volume2となっていますが、1は持っていません。しっかりとした写真アルバムの様な作りで、大きさ重さとも結構あります。

SPORTS 表紙

このシンプルな表紙

今でいうイラスト素材集みたいなもので、裏表紙に「A collection of camera-ready art」と書かれているのでDTP以前、版下・写植時代に、こういった図案を使いたい大きさに紙焼きし、必要ならばトリミングカットして版下に貼り込んでいたんでしょうね。1984年、アメリカ、イリノイ州ピオリアのダイナミックグラフィックス社発行。(かっこい社名!)使いたいイラストページだけさっと外して、そのまま暗室直行、紙焼き作業に便利なリング綴じ。

SPORTS 裏表紙

イリノイ産まれのイカしたやつ!リング綴じで使い勝手も良い。

中身は陽気なアメリカンが躍動するスポーツ天国

中身も流石のアメリカン!各種スポーツのイラストがてんこ盛りです。王道のベースボール、バスケ、アメフト、アイスホッケー、サッカー、テニスなどから、ちょっとマイナーなスポーツ、レクリエーションっぽいものまで満載。そして何より魅力的なのは80年代の匂いがプンプンする、これらイラストの独特な味わいです。

ベースボールイラストレーション

2色刷りの使用例から王道ベースボール素材のページ

様々なタッチのスポーツイラストレーション

突然のマッチョイズムからアメリカンカートゥーンまで

いつか輝くその日を夢見て絶賛熟成中

イラストのタッチはリアルタッチからトゥーンタッチまでバリエーションも豊か。「80年代風」じゃないリアルな80年代の匂いが感じられるダイナミックな構図やイキイキとした人物の表情など、眺めているだけでもなかなか楽しい1冊で、「Tシャツの絵柄にカワイイかも」「レトロ風デザインのフライヤーに使えそう」など色々と妄想も膨らんでまいります。この味のある素材をいつか活かせる仕事があればと思い保存していますが、残念ながら未だに正式な仕事としては使用した事がありません。個人的にTシャツを自作した時に使ったくらいです。味があるって事は一方クセが強いって事で…ハマれば凄く効果を発揮しそうな素材だとは思うのですが、まだしばらくベンチで待機中って感じです。

80年代スキーヤーのイラスト

この圧倒的な80年代感!いちいちキマリ過ぎてます

蘇る版下・写植時代の思い出 夏の暗室作業の苦しさ

若いデザイナーの方はご存知ないでしょうが、DTP以前のアナログ製版時代は専用台紙に写植や図版、紙焼きを貼り付け、スミで罫線等を引きレイアウトデザインされた「版下」を作る必要がありました。基本的に「デザイナー」と呼ばれる人間は、この「版下」のレイアウトデザインまでを行うのが主な仕事で、「版下」自体は専門の版下・写植業の方が作成するように分業されていました。それでも小さなデザイン事務所や会社によってはデザイナーがレイアウトからフィニッシュまで一貫して行う事もあり、僕は勤めた2つの会社で両方を経験してきました。今回紹介したような紙焼きの元になる素材等を見ると、とても大変だった暗室での紙焼き作業を思い出します。

やたら大きくて分厚く重い本ですが
自分にとっては「それをすてるなんてとんでもない!」

お宝の一つです。


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